胸椎の矯正4つのステップ

このテクニックは私「Ezyri」が毎日の施術で行う順番です。90%以上の患者さんに使います。
通常は流れの中で使っているものなのですが、分かりやすく4つに分けました。ですから、4つのステップの一つ一つをしっかり理解していただけたら、施術の流れの中で使っていただくとより効果的ではないかと思いますし、自然な流れで胸椎が矯正できるはずです。

上部胸椎(T1〜T3)はまた違うテクニックを使いますが、中部胸椎から下部胸椎はこの方法を使います。上部胸椎の矯正もこの方法で可能なのですが、もっと簡単に矯正できる方法があります。

胸椎矯正4つのステップ
1、触診
2、スプリングテスト
3、筋膜・筋肉へのアプローチ
4、Adjustment(矯正)

ステップとしてはこの4つです。
ではこの4つを細かく解説してきます。

1、触診

  • 触診の方法は一番の基本通り棘突起を両中指で触診する方法と片手の三指を揃えて指の腹で棘突起と横突起をなぞるように触診。
  • 三指で接触とは中指で棘突起、示指・環指で横突起に接触して触診する
  • 歪みが見つかったら椎骨の上下の椎骨を合わせて細かく触診。
  • プルアンドプッシュで曲突起を左右から動かして椎骨の動きを確認。
  • 母指球を使って横突起を押圧して椎骨の動きを確認。
  • 脊柱起立筋などの椎骨の周辺筋を触診。
  • 歪みを見つけた周辺の筋肉だけでなく、背部の筋肉のバランス、左右の違い筋肉の状態の違いなども触診・視診をする。

2、スプリングテスト

  • 手根部(カルケニアル)を接触部位として椎骨を動かす。
  • このテクニックは押すのではなく、引くテクニックという事を間違えない。
  • 頭方から皮膚のたるみを取りしっかりとコンタクトする。この時に棘突起(椎弓部と椎体部を頭の中だけで離して考える)
  • 頭方から胸椎は動かないと解剖学では言われているが、棘突起を角度と椎体の関節面の角度を考えると頭方から少しだけ押圧しながらしっかりと皮膚のたるみを取り手根部で曲突起を包み込むようにコンタクトする。
  • 動かす椎体の方向は関節面の圧の方向であるが接触部位は棘突起であるので皮膚のたるみを取る方向と椎骨を動かすためにかける圧の方向が少し違うのでしっかりと皮膚のたるみを取る。
  • 手で押すのではなく、自分の体を使って押圧して一気に引く。
  • ターグルスタンス、フェンサーズスタンスどちらでも構わないがターグルスタンスが基本。
  • ハンマーハンドとなる手の豆状骨(パイシフォーム)をネイルハンドの手根部の手の背面にコンタクトして軽く手首を握る。
  • 一歩頭方へ!
  • 皮膚のたるみを取る、椎体の関節面に向かって押圧、引く。これを繰り返す。
  • 胸椎のスプリングテストであるが、T1〜S2までの椎骨をスプリングする。

3、筋膜・筋肉へのアプローチ

  • 脊柱起立筋の筋膜リリースの際に筋肉にアプローチするのではなく、しっかりと筋膜にアプローチする。(筋膜リリースは2〜3㎏の力でアプローチ)
  • 脊柱起立筋へのアプローチ、この時にはしっかりと筋肉にアプローチする。
  • 椎骨周辺筋へアプローチする方向を触診で見立てた筋肉の張りの方向や部位を母指球、小指球で探り筋膜リリース・筋肉のリリースの方向を変えてアプローチする。
  • 脊柱起立筋や椎骨周辺筋を意識しながら横突起に軽くコンタクトして、捻り(Torque)しながら筋膜・筋肉・椎骨にアプローチする。

4、Adjustment

  • 患者さんの呼吸に合わせて息を吐ききったところでスラストする。
  • 左右の歪みだけの場合は少ないので捻りも合わせて考える。
  • スプリングテストでは引くだけだったが伸ばした肘を伸ばしきる形でスラストして、一気に引く。
  • この時、後方へ出ている横突起を前方へAdjusymentするイメージでスラストする。
  • Adjustmentの時もまた棘突起の方向と椎体の関節面方向が違うことを意識し、スラストの方向は椎体の関節面の方向である。

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